映画評 おいしいコーヒーの真実

2021年1月4日 月曜日

以下の企業は取材に応じなかった。

「おいしいコーヒーの真実」(洋画 / 2006年) | U-NEXT

もともとコーヒーを好んで飲む方ではないのだが、自分の飲むコーヒーが劣悪な環境と貧しい報酬によってもたらされる商品であると知ることが出来た。

日本では経済発展=幸福の追求といった誤った方針が取られ、経済政策の名のもとにエチオピアのコーヒー農家を苦しめ続ける要因となっている。国の方針の責任は主体である国民ひとりひとりの責任である。私は不適切なコーヒーを喫むことに反対する。ただし、適切な売買が何であるか分かっていない。フェアトレード品であればいいのか、全く買わない方がいいのか、エチオピア産だけを買えばいいのか。どうするのがいいのか答えを知らない、探さないといけない。

エチオピアにおけるコーヒー産業が先進国から搾取される構造を知ったことでゴールに達成したと考えがちだが、ここは入り口に過ぎない。さらなる調査と対処方法を理解し行動してやっと彼らに報いることが出来る。個人でやるにはあまりにも遠くて、正直に言うと信念を持ってないと途中で飽きてしまいそうな課題に感じる。

奴隷がいなければ成り立たない経済発展は害でしかない。企業が貿易や価格決定プロセスにおいてどのような取り組みをしているかを尋ね、意識的な消費者として自覚を持った行動をとり続けることが重要になってきている。日本に住む私も経済の奴隷として生きることを運命づけられた一人である。それと同時に下位の奴隷から搾取する権力者でもある。経済における力関係は層として積まれ、より下位から奪い上位へ上がる競争ゲームであるが、好もうと好まざると否応なしに参加を強制され生きていく。この仕組みをどうにかせねばならない。